偉人墓地の旅は、
偉人ならぬ偉犬(?)、ハチ公
たいしたスターなのだ!
リチャード・ギアの笑顔と「ハチ〜」のセリフが印象的な、映画「HACHI 約束の犬」。「忠犬ハチ公」の物語をハリウッドでリメイクした作品である。
日本人なら誰もが知っている忠犬ハチ公を主人公にした物語は、何篇もの小説、たくさんのドラマが撮られている。あまりにも有名な銅像も建てられている。そうそう、渋谷区には「ハチ公ソース」というその名もズバリのソースも売られている。
ほんとたいしたスターなのだ。
今回の偉人墓地の旅は、偉人ならぬ偉犬(?)、ハチ公のお墓をいざ参る!
渋谷駅前のハチ公銅像はあまりにも有名なので、ハチ公が秋田犬らしいと知る人は多いだろう。だが、実物のハチ公を見たことがある人は少ない。え、戦前に死んでいるんだから見れるわけないだろうって?
それが、見れるんですよ!
墓地の旅、聖地巡礼。まずは、ハチ公の実物剥製が展示されている国立科学博物館日本館に向かう。
国立科学博物館、通称「カハク」は、博物館のメッカ、東京都台東区・上野公園にある。開館130年を誇るカハクは、恐竜やら、蒸気機関車やらと、男の子心を掴んではなさない痺れる展示物が満載で、ワタシが大好きな博物館である。
映画「ナイトミュージアム」みたいな恐竜(カハクではフタバスズキリュウ)の骨格模型を横目に見ながら、日本館2階北翼「日本人と自然」へ行くと、白い秋田犬(ハチ)とこげ茶色の樺太犬(ジロ)の標本がある。
ハチ公は白い秋田犬の方。ソフトバンク携帯CMの「お父さん」にそっくりで、なかなかの男前。有名な銅像は座っていて、落ち着いたイメージであるが、四股で立つハチ公は力強くなかなかの凛々しさである。左耳が垂れている写真が残っているが、剥製は両耳ともにピンと立っている。
資料によると、ハチ公は、大正12年(1923年)11月10日、秋田県大館市生まれ、昭和10年(1935年)3月8日に東京都渋谷区の渋谷川に架かる稲荷橋付近の路地で死亡。東京農大で解剖した結果、寄生虫のフィラリア、そして胃の中に焼き鳥の串が3〜4本入っていたことが死因とみられている。ハチ公は生前から町の人気者だったから、赤提灯の酔客が焼き鳥をあげたのだろうか。
国立科学博物館は入館料600円(一般・大学生)、高校生以下はなんと無料なので、ぜひ訪れて欲しい。
全国3つあるハチ公像
実物のハチ公に会い、続いて向かうはもちろんハチ公像である。ここで豆知識。ハチ公像と今書いたが、実は忠犬ハチ公像は全国に3つある。
ハチ公の生誕地である秋田県大館市のJR大館駅前ハチ公銅像。ハチ公のことを新聞に寄稿して有名にした日本犬保存会の初代会長・斎藤弘吉の出身地である山形県鶴岡市役所藤島庁舎にあるハチ公石膏像。そして東京都渋谷区JR渋谷駅前のハチ公銅像。
人気者なんです。
今回は、渋谷のハチ公銅像へ向かう。秋田県と山形県のハチ公像は機会を見つけて訪ねようと思う。
さて、渋谷ハチ公銅像。
昔は酔っ払った大学生がこれにまたがり騒いで、警官に怒られるシーンが良くあったんです。実はワタシも大学生時代にまたがったことがある。お恥ずかしい。すいませんです。その当時のハチ公銅像は、今と違って、駅に背を向けて立っていたので、またがっていると、背中側からポンポンと肩を叩かれて酔っぱらいはお巡りさんに絞られるのでした。平成元年(1989年)5月に渋谷駅前工事が行われ、今の場所へ移動し、駅(ハチ公口方向)向きに直された。
待ち合わせ場所として訪れることが多いハチ公銅像。普段はよく見てなかったから気づかなかったが、剥製とは違い、銅像は左耳が垂れているんだね。今もハチ公銅像と一緒に写真を撮る人がたくさんいる渋谷の人気者です。
主人に寄り添うように眠るハチ公
いよいよハチ公のお墓参り。ハチ公のお墓は、東京都港区南青山の「青山霊園」にある。
この霊園には、大久保利通、吉田茂らの大物政治家。国木田独歩、志賀直哉らの小説家。乃木希典、秋山好古らの軍人、そして幕末の志士たちなど蒼々たる面々が眠っている「墓参りマニア」には有名な場所です。孤高の墓マイラー・ギュウゾウも何度も通っております。
さて今回、青山霊園へ向かう足は、渋谷区コミュニティバス「ハチ公バス」を使いたい。渋谷の町をゆっくりゆっくり走るこのバスは、ハチ公をイメージしたペイントがなされていて可愛い。青、オレンジ、赤の三種類があって、ボンネット・バス車両のオレンジ(幡ヶ谷方面を走る)が一番ハチ公っぽい。このハチ公バスの「神宮の杜(もり)ルート」に「渋谷駅ハチ公口」から乗り「南青山三丁目交差点」で下車し、6分ほど歩くと青山霊園である。乗車料金は100円と良心的だし、なにしろ町を細かく縫って走るので車窓から街並みを見ながらの乗車がまた楽しい。
お墓は、青山霊園1種口6区12側1番にあります。
正確に言うと、ハチ公が駅で帰りを待っていた飼い主・上野英三郎(近代農業土木の祖)さんのお墓が番地にあり、ハチ公は上野さんの墓所右隣に立っている「忠犬ハチ公の碑」がそれにあたる。ハチ公は主人に寄り添うようにこの碑柱の下で眠っている。碑にはワタシの前に訪れた人が添えた花が飾られていた。ハチ公、あんたの話はアメリカで映画になったよ、嬉しいね。
合掌
青山霊園所在地:東京都港区南青山二丁目
地下鉄銀座線・外苑前下車徒歩10分。
地下鉄千代田線・乃木坂駅下車徒歩5分。
渋谷区ハチ公バス・南青山三丁目交差点下車徒歩6分


