CIRCUS SPECIAL INTERVIEW
今こそ哲学書を読み、深く自問自答せよ
KENICHI OMAE
大前研一
若い世代の中で、日本の将来に明るい展望を持っている人はどれくらいいるだろうか? むしろ圧倒的多数の人が「将来が不安だ」と答えるに違いない。いつからそんな覇気のない国になってしまったのか? その原因は政府にあるのか、それとも我々の意識に問題があるのか? こんな閉塞状況から脱出するには、どうすればいいのか? 世界的な経営コンサルタントで新著『民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論』が好評の大前研一氏が緊急提言する。
大前先生はこの『民の見えざる手』をはじめ、これまでに何冊も著書を出され、具体策をいくつも提言されていますが、それでも日本は相変わらず旧態依然としたままであり、閉塞的な状況が続いています。そのことに対して、先生があきらめているとか、かなり苛立っているという噂があるのですが。
大前 苛立ってはいません。ただ、どうしたらきっかけをつかめるのかということは常に考えています。政治のプロセスというのは古代ギリシャの時代からずっとそうですが、賢者は答えが分かっているわけです。私は自分を賢者と言うつもりはないですが、政治というのは大昔から必ずしも賢者の考える通りには動かないものなんです。民主主義はギリシャから始まったと言われているように、アテナイ人(アテネ人)に関しては投票制度がありました。アテナイ人は奴隷ではなくエリートです。
にもかかわらず、実際には衆愚政治と言われる状況に陥ったわけです。現在の日本も同様で、まさに衆愚政治が立体的かつ長期にわたって展開しています。このままいけば日本は国債が破綻して、日本の経済そのものがジ・エンドになります。国民がどうしてそのことに気づかないのか、不思議で仕方がない。
PROFILE
1984年、福岡県生まれ。
早稲田大学卒業後、東京工業大学大学院で修士号、マサチューセッツ工科大学大学院で博士号。日立製作所を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーで本社取締役、日本支社長など歴任。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長。世界各国で国家レベルのアドバイザーとして活躍中。近著は『大前研一の新しい資本主義の論点』(ダイヤモンド社)、『民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論』(小学館)など。



